上野公園でいちばん大きな木は、そばに建つ神社より200年以上古い。1627年、徳川家康を祀るために上野東照宮が創建されたとき、このクスノキはすでに老木だった。樹齢はおよそ600年とされ、上野がまだ上野と呼ばれる前からこの高台に立っていたことになる。神社もこの木を、土地の始まりからある木として紹介している。幹回りは8メートルを超え、公園のなかでは群を抜いて太い。神社そのものは、1657年の明暦の大火、1868年の上野戦争、1923年の関東大震災、そして上野の古い建物の大半を焼いた1945年の空襲を、いずれもくぐり抜けてきた。江戸期の技術者が社殿の基礎を異例の深さで造ったことが大きいと言われる。クスノキはその四つの災厄を数メートル先から見届け、どれも葉を焦がす程度で済ませている。いまはその枝が、金箔で飾られた唐門への参道に影を落としている。歴史がその場所に根を張っているのを見たい人にとって、公園のこの一角は小さな巡礼地になっている。
Ueno Toshogu, 9-88 Uenokoen, Taito-ku, Tokyo 110-0007
神社の境内は無料(10月〜2月は9:00〜16:30、3月〜9月は17:30まで)。御神木の大楠は、透明なフェンスの内側にある有料の拝観エリアの中にあり、大人700円、小学生300円(毎日9:30〜、10月〜2月は16:00、3月〜9月は17:00まで、天候により変更あり)。
上野駅(JR・銀座線・日比谷線)から徒歩10分。
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