このイチョウは高く伸びるのではなく、低く横に広がっている。最も太い枝が地面近くで四方に張り出し、その上で幹が細くなるという姿で、角度によっては木全体が上下逆さまに植えられ、根が空へ伸びているように見える。そこから逆さ銀杏の名がついた。1636年に西本願寺の御影堂の前へ植えられたあとのことである。もうひとつの呼び名を水吹き銀杏という。1788年と1864年に伽藍を脅かした火災のとき、この木が水を吹いて火を消したという寺の言い伝えによる。どちらも京都の歴史に記録された実際の大火であり、木が消火にあたったという部分だけが伝説である。イチョウは幹に多くの水分を含み、ほかの樹種より燃えにくいことで知られていて、話の足がかりはそのあたりにあるのだろう。この木は京都市の天然記念物に指定されている。黄葉するのは11月下旬で、紅葉を軸に一年の暦を組み立てる街のなかでも、時期の当てになる木のひとつである。
Nishi Honganji, Horikawa-dori Hanayacho Sagaru, Shimogyo-ku, Kyoto 600-8501
無料。西本願寺の境内は毎日開いている。
京都駅から徒歩15分、またはバス「西本願寺前」下車。
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