ここに街ができる前、この地面を覆っていたのはこの木だった。スダジイは、西日本の低地に広がっていた常緑広葉樹の森の主役で、その森は田と材木と都のために切り開かれた。だから京都のなかに成木のスダジイが立っているということは、街が置き換えた風景の一部がそこに残っているということでもある。この木は京都御苑の南側、大宮御門のそばにある。上京区は2008年10月にこれを区民の誇りの木に加え、高さ14.6メートル、幹回り2.78メートルと計測した。 樹齢を調べた人はおらず、この木に触れた資料も区の登録だけなので、示せるのは寸法がすべてである。 この木の実は、かがんで拾う値打ちがある。ドングリの多くはあく抜きをしないと食べられないほど渋いが、スダジイの実は生のままでも甘く、炒ればなおよい。日本の子どもたちが代々、本ではなく味で覚えてきたのはそのためである。秋になると玉砂利の上に落ちてくる。 大宮御門は、宗像神社の大楠、出水口のエノキと同じ短い周回路の上にあり、三本ともゆっくり歩いて一時間のうちに収まる距離にある。
無料。京都御苑は年間を通じて開いていて、明け方から日暮れまで入れる。
地下鉄烏丸線「丸太町」駅から徒歩約3分。
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