金閣を建てた将軍、足利義満は、この木を鉢植えの盆栽として手元に置いていた。1408年の義満の死後のいつか、その盆栽は金閣寺の鏡湖池のほとりに地植えされ、帆船のかたちに仕立てられた。幹と枝は何代もの庭師の手で刈り込まれ、船体と帆柱、そして西へ向けた舳先を表している。西は仏教の西方浄土の方角である。こうして生まれた陸舟の松は、およそ600年にわたって同じ舟の姿を保たれてきた。日本で最も長く仕立て続けられている松のひとつであり、京都が名松として挙げる三本のうちの一本でもある。1870年代から1880年代の写真にも、いまとほとんど変わらない舟のかたちで写っている。つまり木そのものだけでなく、そのかたちのほうも、明治維新と二度の世界大戦、そして1950年の放火による金閣の焼失と再建を越えて続いてきたことになる。
Kinkakuji-cho 1, Kita-ku, Kyoto 603-8361
京都市バス101・205系統「金閣寺道」下車、徒歩3分。
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