この木について書かれた資料は一つしかなく、それは寸法の一覧である。上京区は梨木神社のエノキを高さ21メートル、幹回り3.72メートル、枝張り19.4メートルと記録し、区民の誇りの木のひとつに選んでいる。樹齢を示す資料はどこにもなく、この神社について書かれたほかの文章もこの木には触れていない。 行く前に知っておくとよいことがある。梨木神社で知られている木はこれではなく、愛称と人気を持つ別の一本、カツラのほうである。エノキにはそのどちらもない。あるのは大きさと位置で、寺町通に面し、京都御苑の東の塀にぴたりと接している。宗像神社の大楠からはおよそ850メートルなので、御苑を回る道のりにほとんど手間なく加えられる。 この神社は京都では新しい。1885年、三条実美のために創建された。1863年に政変で敗れ、ほか六人の公卿とともに都を落ちて長州で長い年月を過ごし、戻ってからは明治政府の太政大臣を務めた人物である。そのために建てられた境内は小さく、塀に囲まれ、静かで、寺町通の車の数メートル先にこれだけの木が手つかずで残ってきた理由としては、それで説明がつきそうである。
Nashinoki Shrine, Teramachi Hirokoji-agaru, Someden-cho, Kamigyo-ku
無料。神社の境内に入るのは無料。
京阪「神宮丸太町」駅から徒歩約8分。
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