奈良で最も古い樹木はどれですか。
奈良で最も古い木は、旧奈良坂の峠道に面した奈良豆比古神社の本殿の裏に立つ大楠である。樹齢は1000年以上と記録され、1951年から奈良県の天然記念物に指定されている。根元まわりは12.8メートル、高さはおよそ30メートルで、地上7メートルあたりで二本の大枝に分かれる。拝観は無料である。
この樹齢は計測されたものではなく言い伝えで、日本の大楠はほとんどがそうである。ただし大きさはその話を支えていて、神社自身の創建伝承も十二世紀前とする。バスで15分かけて行く値打ちがあるのは、木そのものより、その下で起きることのほうである。毎年10月8日の夜、神社では翁舞が奉納される。国の重要無形民俗文化財に指定された仮面の舞で、能の最も古い祖先のひとつとされるものが、この楠の陰で舞われる。木が立つ奈良坂は、北から都へ人を運んだ峠道である。八世紀に京の方角から奈良へ入った人は、みなこの木の前を通ったことになる。この称号を争える相手は春日大社の大杉だけで、そちらは800年から1000年のあいだとされ、記録の裏づけではまさっている。
奈良には訪れる価値のある樹木がまだあります。 奈良の古樹15本。